主人公は美しい容姿と優れた能力を持ち合わせている。しかし周囲との人間関係は上手く行かず、ついには不登校となってしまう。それに見かねた母親は、女学院に転校しそこで無事卒業することを命じた。女学生に囲まれながら、主人公はどういう日々を送ることになるのか、という話。

どのキャラクターも魅力的で会話が楽しいです。
主人公は男1人放り込まれるわけではなく女装します。行動力があり頼もしく、女性的にも素敵な主人公兼ヒロインなキャラです。

雰囲気は穏やかながらも様々なハプニング、事件と共に進んでいきます。展開に強引さは見られるものの、シナリオの流れは丁寧に作られていると思います。
ストーリーの共通部分はかなり長めです。共通部分でも選択肢によって展開に多少の変化があり、周を重ねても楽しめるような考慮が見られます。ただ、ヒロインは6人のため既読箇所は多くなると思います。

良く出来たシナリオだと思いますが、若干の物足りなさも感じました。ヒロインのキャラクター性、各イベントの内容と展開、個別部分のシナリオ、その辺りをもう少し頑張ってほしかったと思います。

前作のプレイは必須ではありませんが、プレイしている方が楽しめると思います。

美麗の一言です。特に文句をつけるところは無いです。
表情はよく変化して微笑ましいです。たまに入る小さいカットインの絵も良いです。何より、画面一杯にアップになるヒロインの顔が素晴らしいです。
ニヤけざるを得ないグラフィックです。

場面に合っておりゲームに集中できるＢＧＭでした。歌はオープニング、挿入歌、エンディングにあります。オープニングはこれから始まる恋の物語を、クールでアップテンポな曲調で格好良く表現しています。

音声はどのキャラも合っていたと思います。主人公にも声はあり、Ｈシーンでも台詞に声が入ります。

システムは必要なものはある、と言ったところでしょうか。よく有るもので無いものというとクイックセーブ＆ロード、キャラ別の音量とONOFF設定です。私は困ることはありませんでした。
なお、主人公のみ声のONOFFができます。

画面はワイドが標準となっています。

攻略に関しては｢直前選択肢へ｣と｢次の選択肢へ｣があるので2周目以降の時間の短縮に繋がります。設定で｢未読で停止｣にしておけば｢次の選択肢へ｣を押して未読部分に来た際にもちゃんと止まるので安心です。

攻略難度としてはちょっと手間があります。私は1周目、目的のルートに入れませんでした。
選択肢を選ぶとキャラごとに好感度が上がったような表示が出ますが、ルートに入れるかどうかはその表示の有無だけではない、ということが言えます。
やっていくうちに分かると思うので、気楽にやると良いと思います。

演出は画面効果が使われていたり場面場面の音楽などで盛り上げていたと思います。演出強化パッチが公式サイトにありますので、プレイする前に当てた方が良いです。

主人公の名前は変更不可、ディスクレス起動は可です。

Ｈシーンは各ヒロイン２回ずつです。尺、シチュエーションは大体普通だったと思います。

特筆すべき点はないです。

人と人の繋がり、その優しさを描いた作品でした。雰囲気を大事にしており、とても心地よくプレイすることができました。

推すところは会話です。キャラクターのやり取りはどれも楽しかったです。主人公に声があること、大活躍することも良いと感じました。

テキストに難解さはなく、非常に読みやすいものでした。

気になるところでは、感動があまり大きくなかったことです。そこそこ満足感はありますが、もうちょっと感情を揺さぶる何かが欲しかったです。
手堅くまとまっています。冒険してほしかったかもしれません。
何はともあれ、楽しませていただきました。

好きなキャラは…甲乙つけがたいです。
妃宮千早を挙げておきます。主人公以外なら冷泉淡雪です。



ネタバレ注意！処女はお姉さまに恋してる 〜２人のエルダー〜言いたい放題